生命保険の被保険者である夫婦が乗った自動車が、高速道路を走行中にガードレールを突き破って転落大破し、2人とも死亡する事故が発生しました。亡くなった夫婦の相続人であるAさんらは、夫婦が加入していた保険会社に対し、普通傷害保険の死亡保険金の支払いを求めました。保険会社は、交渉段階から「故意による事故の可能性がある」と指摘し、保険金の支払いに消極的な姿勢を見せていました。そこで、Aさんらは保険会社に対し、保険金支払いを求める訴訟提起に踏み切りました。 | |
本件事故が「偶然な」事故であるか。つまり、被保険者の故意による自殺の場合は、保険金が支払われないことから、「偶然な」事故か自殺かが争点となりました。 | |
本件事故が急激かつ偶然な外来によるものかについては、直接証明する事実がないので、下記に掲げたような、事故状況、被保険者らの生活状況(事故前の行動及び事故後予定していた行動計画)から自殺に結びつく動機がないことを立証しました。 |
裁判所は、保険会社が提出した鑑定書について信用性が乏しいと認定したうえで、上記のような事実から本件事故が急激かつ偶然な外来によるものと認定して、(3)夫婦が自殺を決意せざるをえないような出来事の存在は認められないとして、Aさんらの保険会社に対する保険金請求を認容しました。 |