日本国内で生命保険に関する営業活動を行う、すべての生命保険会社が加盟し、「生命保険事業の健全な発達および信頼性の維持を図ることを目的とした事業(生命保険協会ホームページから)」を行う団体が、社団法人生命保険協会です。生命保険協会の歴史は長く、明治41年12月に社団法人としての認可を受けて以来、生命保険会社の業界団体として、100年以上にわたって活動を続けています。
生命保険の契約者をはじめとする一般消費者から、生命保険に関する相談・苦情などを受け付けるのが、生命保険相談所です。運営母体は、生命保険会社の業界団体である生命保険協会になります。東京にある本部のほか、日本全国に53か所の連絡所が設置されています。
生命保険に関するあらゆる相談や苦情の窓口となりますが、生命保険相談所では解決できない問題については、生命保険会社に解決依頼や和解斡旋を行うこともあります。それでも問題の解決に至らない場合には、「裁定審査会」と呼ばれる機関を設け、問題解決に向けた裁定を下します。
生命保険金の不払い問題をはじめ、生命保険の契約内容や販売方法など関する疑問や困りごとの相談受付・アドバイスを行ったり、具体的にトラブルを解決したりする機能を持った生命保険相談所ですが、実際のところ、一般消費者の期待に応えられるほどに機能していないようです。
トラブルが発生時に利用できるという裁定審査会ですが、相談の段階から実際の審理に入るまでには相当な日数が必要になります。裁定審査会での解決を待つ間に、訴訟を起こすほうが早く解決に至る可能性もあります。そもそもこれらの団体は「生命保険会社の出資」であり、どこまで中立・公正な対応が期待できるかという点に、疑問の余地があります。